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「初めての一人暮らし」に寄り添う!高校生のための副教材誕生の舞台裏

突然ですが、みなさんに質問です!

「お部屋探しや賃貸借契約の仕組みをきちんと知ったのは、いつでしたか?」
 
大学受験や就職、一人暮らしを始めたときなど、どこかで「そういうものなんだ」とわかった瞬間があったのではないでしょうか。私の場合、大学時代に一人暮らしを始めていたものの、実はお部屋探しや賃貸借契約の仕組みをしっかり理解したのは、CHINTAIに入社してからでした。
 
もっと早く理解できていれば、理想のお部屋に住めたかもしれない——。そんなふうに思ったことはありませんか?
 
改めまして、自己紹介をさせていただきます。CHINTAIの学生プロジェクトチームに所属している木村と申します。私たちのチームでは、学生生活をより豊かにするためのサービスを企画・提供しています。その活動の一環として、高校生がお部屋探しを学ぶきっかけをつくるため、『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』を制作し、2024年10月から高校の家庭科授業で活用できる副教材として提供を開始しました。
 
今回は、この『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』に込めた想いと、制作の裏側で経験したエピソードについてご紹介します!


現役家庭科教員監修!『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』

『高校生のための部屋探し&一人暮らしガイド』について、誕生秘話を語る前に、まずはこのガイドがどのようなものなのかをご説明したいと思います。

『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』は、高校の家庭科の授業でお部屋探し学習に役立つ副教材として、情報誌CHINTAIを教材化したものです。
 
高校を卒業して進学や就職で一人暮らしを始める人は多いですが、高校生が賃貸借契約や引越しの手順を学ぶ機会はほとんどありません。そこで、高校卒業後に安心して一人暮らしをスタートしてほしいという思いから、この副教材を制作することに。この副教材では、賃貸借契約の基本や引越し準備のポイントなどをわかりやすく解説しています。

さらに、この副教材を家庭科の授業でしっかり活用してもらえるように、東京都立松が谷高等学校で家庭科を教えている根本先生に監修をお願いしました。そのおかげで、授業でもすぐに使いやすい内容になっています。

18歳の私の経験を、今の高校生の安心につなげたい

『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』を作ろうと思ったきっかけには、2つの経験があります。
 
1つ目は、2022年に成人年齢が18歳に引き下げられたことです。これにより、18歳から親の同意がなくても、自分の意思で不動産契約ができるようになりました。けれど、私が18歳のとき、一人暮らしを始めようとお部屋探しをしたものの、賃貸借契約や物件選びについてほとんど何もわかっていませんでした。その結果、交通の便が悪く、どこに行くにも苦労する物件を選んでしまったのです。
 
その物件の最寄り駅は各駅停車しか止まらない駅で、通学も外出も時間がかかるばかり。不動産会社の方に「特急は停まりませんよ」と説明はされていたものの、田舎出身で電車に乗り慣れていなかった私は、その不便さを想像できなかったんです。実際に住み始めてから「もっと調べておけばよかった…」と後悔したのを今でも覚えています。
 
2つ目は、以前所属していたプランニング事業グループでの出来事です。このグループでは、『情報誌CHINTAI』や『わんだふるオーナーズ』といったCHINTAIが発行する雑誌の編集や流通、配送を担当していました。その業務の中で、高校から「『情報誌CHINTAI』のバックナンバーを家庭科の授業で活用したい」という問い合わせをいくつかいただいたことがありました。
 
その当時、「高校の授業で『情報誌CHINTAI』がどう活用されているんだろう?」と興味はあったものの、具体的に話を聞く機会はありませんでした。ところが、学生向けプロジェクトに配属されたときに、ふとその問い合わせを思い出したのです。「ただ雑誌を送るだけでなく、情報を再編集して教材として活用しやすい形にすれば、授業でもっと役立ててもらえるかもしれない」と考えるようになりました。
 
この2つの経験を通じて、「18歳からでも安心して一人暮らしをスタートできるように」という想いが強まり、このガイドの制作につながったのです。

“本当に使える”お部屋探しの副教材を目指して!

制作を進めるにあたっては、授業で副教材として活用してもらうために、どのような内容が使いやすいのかを考える必要がありました。
 
そこで、以前『情報誌CHINTAI』のバックナンバーについて問い合わせをしてくれた東京都立松が谷高等学校をはじめ、いくつかの高校を訪問し、お部屋探しの授業がどのように行われているのかをヒアリング。その中で判明した課題の一つは、家庭科の授業で使用している本教材の情報量が多すぎて、生徒にとって理解が難しいという点でした。先生方は生徒にわかりやすく伝えるために、自作のプリントを作成していましたが、この作業には非常に多くの時間がかかっていることもわかりました。

実際に先生が作成したプリント

先生方がプリント作成にかける時間を削減しつつ、生徒の理解力を高める副教材を作るにはどうすればよいかを考えた結果、文字だけではなく、視覚的にわかりやすい内容にすることに。そこで、先生方が使用していたプリントを参考にしながら、イラストを多用し、生徒が親しみやすい副教材を目指しました。
 
制作にあたっては、東京都立松が谷高等学校の家庭科教員である根本先生と何度も話し合いを重ねました。「どんな内容を入れるべきか」「授業の流れに合った構成にするにはどうすればいいか」といった点について具体的なご意見をいただきながら進めていきました。
 
その中で特に印象に残っているのが、根本先生からの「賃貸物件を契約する際の人物相関図を、イラストでわかりやすく解説してほしい」というご要望です。これまでの『情報誌CHINTAI』には高校生が理解しやすい形で基礎知識を伝えるコンテンツが少なかったため、情報を整理しつつ内容を厳選することが大きな課題でした。正直なところ、大変な作業ではありましたが、「学生たちに役立つものを作りたい!」という思いで取り組みました。
 
また、物件ページを制作する際には、「物件の立地条件と家賃の関係性が明確にわかる情報にしてほしい」という根本先生のご要望をいただきました。ただ、私自身あまり多くの引越しを経験していなかったこともあり、物件についての知識が足りず、少し不安を感じていたんです…。そこで、同じ部署の後輩に相談してみたところ、「学生時代に物件を回って写真を撮るバイトをしていたので、物件には詳しいですよ!」と頼もしい言葉をもらい、協力を仰ぐことに。後輩の経験を頼りに、物件の立地条件と家賃の関係性を意識しながら、それぞれに特徴を持たせた物件ページを作り上げることができました。

完成した物件ページを根本先生にお見せした際、「賃貸物件を知り尽くしているCHINTAIさんだからこそ、わかりやすい内容になっていますね!」と言っていただけたときは、本当にうれしかったです。

お部屋探しのリアルを学ぶ!東京都立松が谷高等学校で副教材が大活躍

2024年10月16日に、東京都立松が谷高等学校でこの副教材を使用した授業が実施されました。授業を担当されたのは、副教材を一緒に制作していただいた根本先生です。
 
事前に授業の進行についてお話を伺っていましたが、実際に授業の様子を見るのは今回が初めて。本教材と副教材をどのようにうまく組み合わせて活用するのか、とても楽しみでした。

東京都立松が谷高等学校 授業風景

授業では、副教材を使って初期費用の計算をしたり、間取り図を見ながら物件を選ぶポイントを話し合ったりする中で、生徒同士の会話が弾んでいました。「この物件は家賃が高いから嫌だ!」「駅から遠い物件は無理!」など賑やかな声が飛び交い、お部屋探しについて楽しそうに意見交換している様子がとても印象的でした。生徒たちが真剣に話し合いながらも楽しそうに取り組んでいる姿を見て、「お部屋探しを楽しめる副教材にしたい」という私の想いが、しっかり形になっていると感じ、とても感慨深かったです。
 
授業後、生徒たちに「実際に使ってみてどうだった?」と聞いてみたところ、次のような感想が返ってきました

・イラストが多くてわかりやすかった
・お部屋探しの想像が膨らむ
・間取り図を見てみるページで、主な間取り図記号が簡潔にまとめられていて使いやすかった

さらに、お部屋探しや一人暮らしのイメージがどう変わったかを尋ねると、次のような声もありました。

・一人暮らしは思ったよりお金がかかるなど、具体的な物件情報に触れたからこそ、準備すべきことがイメージできた
・お部屋探しにおいて、自分が大切にしたいポイントを整理できた
・お部屋探しには、こだわりだけではく、妥協できるポイントの整理や、優先順位を明確にすることも重要だとわかった
・ぱっと見て微妙と思った物件も、細かく比較検討しているうちに良さが見えてきた
・一人暮らしのイメージが湧かなかったが、お部屋選びで大切にしたいポイントや、費用がどのくらいかかりそうかを具体的にイメージすることができた

これらの感想を通じて、副教材が高校生のお部屋探しの理解を深めるだけでなく、「楽しむきっかけ」を作ることができたと、とてもうれしかったです。
 
授業が終わった後、根本先生にも感想を伺いました。正直なところ、「この教材が生徒たちの役に立つか」「先生に喜んでもらえるか」と、かなりドキドキしていました。でも、根本先生がこうおっしゃったんです。
 
「表紙や中身のイラストがカラフルで素敵で、一人暮らしへのわくわく感が伝わりますね。机に置くだけで楽しそうな雰囲気が出るのも良いです。自分ではこうした見開きの教材を作るのは難しいので、CHINTAIさんと一緒に制作できて良かったです!」
 
その言葉を聞いて、思わず心の中で「よかったー!」と叫びました(笑)。さらに、「なぜ今回の副教材制作に協力してくださったのですか?」と尋ねてみると、先生はこう答えてくださいました。
 
「長年お世話になっていたCHINTAIさんからご連絡をいただいたとき、『これは運命だ!』と思いました(笑)。教材として使えるものを探している教員として、新たな教材を提案してくれる企業があるのは本当にありがたいことです。『まさに私の授業のための冊子だ』と思い、協力させていただきました!」
 
「運命」なんて言葉までいただけるなんて、企画者としてこれ以上の喜びはありません。長年CHINTAIが築いてきた高校とのつながりが、こうして形になり、さらに先生や生徒たちに楽しんでいただけたことが何よりもうれしかったです。

東京都立松が谷高等学校 根本佳子先生

引越しの不安をわくわくに!全国の高校で使える副教材を目指して

現在、『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』は首都圏の高校を中心に全国約80校で活用されています。実際に活用してくださっている先生からは、「これまでの授業用資料の収集やプリント作成を自力で行っていて大変だったため、このようなカラー冊子は助かる」「卒業後の生徒の引越しに役立てられそう」といったお声をいただいております!

これからは、ぜひ全国の高校で活用していただきたいと考えています。授業だけでなく、進路指導にも幅広くご利用いただければ幸いです。特に進学のために地方から引越しをするという人も多いはず。この副教材を通じて、高校生のみなさんがお部屋探しについて理解を深め、安心して新生活をスタートできるお手伝いができればとてもうれしいです。

さらに、まだ構想段階ではありますが、今回の副教材の内容をさらに充実させることも検討しています。お部屋探しだけでなく、家庭科の授業で扱われている経済に関するテーマなども追加し、幅広い内容を盛り込んだ教材にしたいと考えています。 

最後に、『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』を全国の高校で副教材として活用していただき、高校生のみなさんが「お部屋探しって楽しい!」と感じるとともに、契約の基礎知識を身につけ、安全で安心な引越しを実現できることを心から願っています。この副教材が、未来に向けた小さな一歩を踏み出す生徒たちの背中を押せる存在になれば幸いです。

『高校生のためのお部屋探し&一人暮らしガイド』は副教材と送料共に無料となっております!今回の記事を読んで利用してみたい!と感じた高等学校の先生がいらっしゃいましたら、下記フォームからお申し込みください!

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※社員の所属および記事の内容などは2024年12月現在のものです。